当財団では、2016~2018年度に、「住宅における良好な温熱環境の実現のための調査研究委員会」(以下、委員会という。)において、良好な温熱環境の実現に向けた構工法、設備、空間計画による対応策等を検討してまいりました。
そこで、この委員会において得られた成果を活用するとともに、新築及び既存住宅における温熱環境において、水回り空間を弱点として認識し、主に水回り空間の温熱環境の改善に関連する範囲の住宅部品である浴室ユニット、サッシ、ドア、断熱材、給湯器及び暖房器具等を対象とし、その開発を促進し、普及拡大を図ることにより、入浴時やトイレ使用時等の重大事故の抑制、及び居住者の健康寿命延伸に繋げることを目的として、2018年度に標題の「住宅の良好な温熱環境の実現に資する住宅部品研究会」(以下、研究会という。)[首都大学東京 名誉教授、当財団 サステナブル居住研究センター センター長 深尾精一座長]を設置し、2020年度までの3年間活動を行ってきました。
事業者が既存住宅の改修を行う際の設計目標とするために十分な科学的裏付けがなされるまでの暫定的な案として「良好な温熱環境の実現のための調査研究委員会」により提言された「住宅改修における水回りの設計に資する温熱環境暫定水準案」をもとに、作用温度など良好温熱に関する考え方の共通認識を図った上で、下記の取組みを主体に研究会を推進してきました。
①事業者が良好温熱環境に有効な住宅部品を選択するためのツールとして、「水回りの良好な温熱環境の実現に資する製品リスト・ガイド」を作成しました。
②作用温度は、事業者にとっては一般的ではなく、またその測定方法も定まっていないため、今後の基準化に向け測定方法を検討しました。
③本研究会を作った主な狙いである良好温熱に関連した住宅部品の開発および部品の機能追加に関してアイデアを含め、一覧に取りまとめました。
【組織体制(順不同・敬称略)】
〇委員(学識経験者)
座長・空間分科会主査
首都大学東京 名誉教授、一般財団法人ベターリビング サステナブル居住研究センター センター長 深尾 精一
暖房・給湯分科会主査
東京電機大学 理工学部 理工学科 建築・都市環境学系 教授 鳥海 吉弘
慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科 教授 伊香賀 俊治
株式会社エクスナレッジ 建築知識ビルダーズ 編集長 木藤 阿由子
〇委員(会員企業)
旭ファイバーグラス株式会社、クリナップ株式会社、三協立山株式会社、積水ホームテクノ株式会社、タカラスタンダード株式会社、デュポン・スタイロ株式会社、TOTO株式会社、株式会社ノーリツ、パナソニック株式会社、株式会社パロマ、不二サッシ株式会社、マックス株式会社、株式会社LIXIL、リンナイ株式会社、YKK AP株式会社
〇委員(業界団体)
一般社団法人日本ガス協会、一般社団法人リビングアメニティ協会
3年間の活動成果を、活動報告書として取りまとめましたので、水回り空間の温熱環境改善のため、部品開発の参考にしていただくことを期待しています。

「住宅の良好な温熱環境の実現に資する住宅部品研究会」(2018~2020年度)活動報告書
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