在来軸組構法壁体の水平せん断性能に及ぼす補修・交換の影響 岡部　実*1　中島史郎*2　槌本敬大*2　宮村雅史*3 キーワード 　 在来軸組構法　　筋かい耐力壁　　水平加力　 補修・交換　　降伏耐力 概要 　 木造軸組が腐朽菌やシロアリにより劣化した場合、劣化部分のみを交換する補修方法がある。しかし構造材の部分的補修が、軸組耐力壁の耐力・変形性能に及ぼす影響について十分な検討がなされていない。そこで実験的に補修交換を行った在来軸組の壁体で水平加力試験を行った。今回実施した柱の補修・交換方法は、水平力が作用した場合の柱の引張力に対し十分な強度を示した。しかし今回の試験で行った筋かいの補修は、引張力に対し十分な性能は認められず、実際の施工では注意が必要である。ただし筋かいを含む壁面全体に構造用合板を釘打ちすることで、柱や筋かいが補修されていても初期耐力と同等の性能が確認できた。なお本研究は官民連帯共同研究「木造住宅の長寿命化・ストック化技術の開発」の一環として行われた。 ＊ 1：（財）ベターリビング筑波建築試験センター ＊ 2：（独）建築研究所　主任研究員　農博 ＊ 3：（独）建築研究所　主任研究員 日本建築学会大会学術講演梗概集 (C-1) 22164，pp.327-328，2001年9月 （関東）