耐力壁の水平加力試験における鉛直方向拘束の影響
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岡部 実*1 河合直人*2 |
キーワード
水平加力試験 タイロッド式 載荷式 無載荷式
概要
耐力壁の水平加力試験には、タイロッド式、載荷式、無載荷式の3種類の加力形式が存在し、水平力が作用した場合の注脚部の拘束度合いが異なる。そこで、加力形式が耐力評価に与える影響を検討することを目的とし、特に海外から新しい構法として導入されている木質断熱複合パネルを用いた壁体と丸太組壁体について試験を行った。
木質断熱複合パネルは、注脚部をホールダウン金物(25kN用)で固定しているが、パネル自体のせん断耐力・剛性が高いことから、大きな耐力が得られ、最終的には柱脚部のホールダウン金物が破壊した。特に無載荷、載荷式では浮き上がりによる耐力低下が大きく、タイロッド式での評価に比べ、約7割となった。丸太組壁体は、丸太がずれることで壁体がせん断変形をし、初期から終局まで直線的な荷重変形を示した。
耐力の小さい丸太組壁体では加力形式の違いによる影響が明確に現れなかったが、耐力が大きい木質断熱パネルでは、注脚部の固定方法が耐力に与える影響が大きく、タイロッド式で拘束する方が大きな値となった。
* 1:(財)ベターリビング 筑波建築試験センター
* 2:建設省建築研究所 認証システム研究室室長・工博
第49回日本木材学会大会研究発表要旨集 1999年4月 (東京) |
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