■はじめてのガーデニング

ガーデニング初心者を対象に、すぐに役立つ実践的なアドバイスをテーマごとにまとめていきます。また専門用語についても、できるだけわかりやすく説明していきたいと考えています。

■第1回■  土についてのお話

  ガーデニングにとって一番大切なのは「土」。
同じ植物を植える場合でも、コンテナに植えるのか、庭に直接植えるのかによって、土の選び方や土づくり、株の植え方も変わってきます。
両方のケースに分けてお話しましょう。
 
コンテナに植える場合
 
庭に直接植える場合
 

 
 

 
ハンギングやプランターなどのコンテナに植える場合、乾燥しやすいため、湿気を保つことが大切です。保湿性を満たすものとしては、「腐葉土」や「ピートモス」があります。「ピートモス」はスコットランド地方産が有名ですが、湖の底に長い間堆積した藻でできています。また、「腐葉土」を選ぶ時はよく発酵した上質のものを使って下さい。
植物にとって水と同じくらい大切なのは空気ですが、根が伸びるために空気が入る適当な隙間を与えてくれるのが、土の一粒一粒が比較的大きい「赤玉」や「パーライト」です。「赤玉」は、火山灰性の赤土のことで、水もち・水はけ・通気性に優れ、基本用土として使います。真珠石を砕いて高熱で焼いた人工の土が、「パーライト」です。多孔質で通気性と水はけを確保してくれます。
また、市販されている「培養土」には、これらがすでにバランスよく配合されているので、「培養土」を利用すると土つくりの手間が省けます。
 

ミックスの割合は、赤玉:6 ・腐葉土:3 ・パーライト:1ぐらいがよいでしょう。 コンテナの底には、軽石のようなパミスなどを敷き、後の土は混ぜて使いましょう。混ぜ方は普通でよいのですが、コンテナ植えで大切なのは、根までしっかり土が行き渡ること。割り箸やスプーンなどを、株と株の間に何度も上下に動かしながら土を入れると、土と根の間の隙間が埋まります。

■寄せ植え(例)■

■寄せ植え(例)■
全部植えたら、株が土より飛び出していないか、下方の葉が土に埋まっていないかチェックします。水は植えつけた時は特にたっぷりあげましょう。夏場なら午前中と日が沈んでからやり、冬場は夕方寒くなる前までに済ませます。
これからの季節で特に注意するのは、霜が降りた後です。土が乾燥して堅くパサ パサになってしまい、そのままにしておくと根を傷めてしまいますので、ピートモスなどを適度にすきこんであげましょう。春先からの花のつきが一層よくなります。


寄せ植えの基本は、植栽と鉢のコンビネーション。
植え込む植栽は同じでも、テラコッタの鉢かオリエンタル調の鉢を使うかで、雰囲気はまったく違ってきます。もちろん、鉢を置く場所との調和を考えることも大切です。
 

 
 

 
庭に直接植える場合の土は、コンテナの場合とは異なります。
もちろん、下に軽石などを敷く必要はありません。基本は柔らかい土をつくるということです。柔らかいというのは、適度に腐葉土などが混ぜてあり、根に酸素が行き届き、また保水も十分であるという意味。
まず、最低30cm(ちょうどスコップの縦の長さと同じぐらい。イギリスでは、この長さをひとつの単位として「1シングル」と呼んでいます)掘ってみて、庭の土の状態を知りましょう。粘土質であれば、水はけが悪くなっていますので、「培養土」を既存の土の代わりに入れこみます。
花壇の土をつくるのは、土のPHを調えるため、株を植えつける1、2週間ぐらい前が妥当です。
@ 花壇1u当り、スコップ4杯の腐葉土と、一握りの苦土石灰を用意します。
A 1シングル(=30cm)は掘り返すようにして下さい。腐葉土と苦土石灰がまんべんなく行き渡るように混ぜながら良く耕し、そのまま放置します。
B1〜2週間後、株を植え込む時に再度、土を掘り起こします。

植物は柔らかい土が好きなので、手間をおしまずに準備しましょう。

 

畝(うね)を作って植え込みます。
植える前に、まずビニールポットのまま置いてみてバランスを確認します。バランスがよければ、土ごとポットからはずし、根を傷めないように植え込みます。この時、株と株の間は20cmぐらいあけるようにしましょう。

■枕木で作った花壇(例)■

■ベジタブルガーデン(例)■
(コンテナに植える場合と同じ)
全部植えたら、株が土より飛び出していないか、下方の葉が土に埋まっていないかチェックします。水は植えつけた時は特にたっぷりあげましょう。夏場なら午前中と日が沈んでからやり、冬場は夕方寒くなる前までに済ませます。
土は、少しの改良ではすぐに蘇りませんから、花などを植えた後でも、時々「培養土」などを補給しましょう。
ちなみに英国などでは、腐葉土は使わず、マッシュルームを栽培する時に出た土を使います。これはマッシュルームコンポストと呼ばれる肥料で、ガーデニングのスタンダードになっています。


ヨーロッパの園芸が盛んな国では、土づくりをとても大切にしています。ベジタブルもまるで、花壇に咲く花のように彩りが美しく、生き生きと生育します。

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