ハンギングやプランターなどのコンテナに植える場合、乾燥しやすいため、湿気を保つことが大切です。保湿性を満たすものとしては、「腐葉土」や「ピートモス」があります。「ピートモス」はスコットランド地方産が有名ですが、湖の底に長い間堆積した藻でできています。また、「腐葉土」を選ぶ時はよく発酵した上質のものを使って下さい。 植物にとって水と同じくらい大切なのは空気ですが、根が伸びるために空気が入る適当な隙間を与えてくれるのが、土の一粒一粒が比較的大きい「赤玉」や「パーライト」です。「赤玉」は、火山灰性の赤土のことで、水もち・水はけ・通気性に優れ、基本用土として使います。真珠石を砕いて高熱で焼いた人工の土が、「パーライト」です。多孔質で通気性と水はけを確保してくれます。 また、市販されている「培養土」には、これらがすでにバランスよく配合されているので、「培養土」を利用すると土つくりの手間が省けます。
庭に直接植える場合の土は、コンテナの場合とは異なります。 もちろん、下に軽石などを敷く必要はありません。基本は柔らかい土をつくるということです。柔らかいというのは、適度に腐葉土などが混ぜてあり、根に酸素が行き届き、また保水も十分であるという意味。 まず、最低30cm(ちょうどスコップの縦の長さと同じぐらい。イギリスでは、この長さをひとつの単位として「1シングル」と呼んでいます)掘ってみて、庭の土の状態を知りましょう。粘土質であれば、水はけが悪くなっていますので、「培養土」を既存の土の代わりに入れこみます。 花壇の土をつくるのは、土のPHを調えるため、株を植えつける1、2週間ぐらい前が妥当です。 @ 花壇1u当り、スコップ4杯の腐葉土と、一握りの苦土石灰を用意します。 A 1シングル(=30cm)は掘り返すようにして下さい。腐葉土と苦土石灰がまんべんなく行き渡るように混ぜながら良く耕し、そのまま放置します。 B1〜2週間後、株を植え込む時に再度、土を掘り起こします。 植物は柔らかい土が好きなので、手間をおしまずに準備しましょう。