ベターリビングのつくば建築試験研究センター(TBTL)は、構造、防火、環境など建築分野に関連する多様な試験・評定業務を行うため、大小の各種試験設備を設置した複数の試験棟が立ち並んでいます。これら試験・評定業務を統括し管理機能を有するのが「試験研究本館」です。
試験研究本館は、2010(平成22)年3月に完成。建築面積404.82m2、延床面積764.69m2、地上2階建て、木質ハイブリッド構造の建物です。
計画立案にあたっては、当財団の掲げるミッションやスピリットを踏まえ、地球環境に配慮した先導的で持続可能なものとなるような要素を採り入れています。
例えば、建築沈下抑制のための建物支持に用いた鋼管杭を採熱・放熱用の「エネルギー杭」として使用し、ヒートポンプと組み合わせた「地中熱利用冷暖房システム」があります。杭内に充填させた水を循環させる「直接循環方式」を採用しており、運転開始から14年を経過しても概ね当初の性能を維持しています。
自然の採光・通風等を利用するシステムも採用しました。正面入り口へのアプローチは、雑木林を活かした熱負荷対策にも寄与しており、四季を感じながら散策するような雰囲気の創出にも配慮しました。
このような工夫を通じて、立地特性を生かした環境負荷の低減、来訪者の皆様へのサービス向上、試験研究業務にふさわしい開放的な「知的執務環境」の構築を目指しました。
2012(平成24)年、財団法人建築環境・省エネルギー機構(当時)が主催する第4回サステナブル建築賞において、審査員会奨励賞に選定されています。また、2013(平成25)年、一般社団法人日本建築学会の日本建築学会作品選奨に選出されています。
試験のご相談やご見学でつくばにおいでの際には、ぜひ試験研究本館もお見逃しなく。
つくば建築試験研究センター 試験研究本館