■はじめてのガーデニング

ガーデニング初心者を対象に、すぐに役立つ実践的なアドバイスをテーマごとにまとめていきます。また専門用語についても、できるだけわかりやすく説明していきたいと考えています。

■第4回■  寄せ植えに挑戦!【3】 −組み合わせで楽しむ・肥料の種類と使い方−

「コスモス」や「センニチコウ」など、シックな色合いの花が次々と店先に並ぶ季節になりました。暑い夏はコンテナのケアが大変でしたが、これからは少し余裕をもって植物と向き合える恰好のシーズンです。
 
 

一般的に コンテナガーデンというと、数種類の植物を集めてアレンジするというイメージが強いようです。しかし、ヨーロッパでは1つのポットに1種類の植物だけを入れ、それらを集めて立体的なガーデンを構成している様子をよく見かけます。これも、コンテナガーデンのもうひとつの楽しみ方といえるでしょう。 またイギリスなどでも、フラットで共同の庭を持つ人たちは別として、街の中心部では、広い芝生の庭付きの家を購入するのはそうたやすいことではありません。この辺りは、日本の住宅事情と同じです。大きく違うのは、コンテナやそれに入れる植物、置く場所などを1つひとつ、とても丁寧にチョイスして、建物の一部に上手に取り入れている点。ぜひ、見習いたいものですね。
 
そこで今回は、1つのポットに1種類の植物だけを入れて、そのポットの組み合わせで楽しむ方法をご紹介します。

組み合わせで楽しむコンテナガーデン

また、お庭いっぱいに花があふれる時期はもちろんのこと、これから迎える冬にも、できるだけ長い間花を楽しむために肥料は欠かせません。でも、ガーデニングショップに行っていざ選ぼうと思っても、あまりにさまざまな種類の肥料が並べられていて、いったいどれを選べばよいか迷ってしまうことがありませんか? そこで、肥料についての基本的な種類とその適切な使い方についても、簡単にご説明します。

肥料の種類と使い方(基本)
 
 
 
 
1つのポットに1種類の植物だけを入れ、その組み合わせで
コンテナガーデンを楽しむ方法をご紹介します。

 
まずは、お薦めの植物です。

 
 
最近の傾向としては、乾燥に強くコンテナにぴったりな植物として、グラス系の植物がクローズアップされています。グラス、すなわち草なのですが、「ススキ」のようなもの、「猫じゃらし」のようなもの、「イネ」のようなものと、特別花を楽しむものではなくても、葉の色やテクスチャー(=材質感・風合い)に特徴があるものに人気があります。
 
これらの植物を、テラコッタや塗り物のコンテナなどに入れると中途半端な雰囲気になってしまうので、バケツのようなアルミ製ポットを使い、ラフなイメージで統一してみましょう。これらをいくつか組み合わせると、小さくてもワイルドなガーデンが手軽に楽しめます。種類にもよりますが、お手入れが少々ラフでも大丈夫でしょう。
 
ロンドンで人気のあるダン・ピアソンというデザイナーは、好んでこのグラス系とバケツを組み合わせて好評を博しました。

 
 
 
お薦めのグラス系植物を3点、ご紹介します。

 
ススキの葉に黄色く横縞が入っていて、その部分がちょうど矢羽模様に見えるのでこの名前がついた。秋を彩る「コスモス」や「ヒメヒマワリ」との相性がとてもよく、花壇に奥行きがでる。ススキの穂は原種のものとまったく同じ。
スゲ科の植物。ニュージーランド原産。細い葉が特徴で、色も紅葉色だけでなくブロンズ色のものもある。
多年草。野生的なワイルドガーデンを作るのに大変有効。
サトイモ科。 和風にも洋風の庭にも相性がよい植物。耐寒性にもすぐれ常緑なので、「ビオトープ」などの、水辺を彩る植物として、とても便利。
緑色の葉にストライプの黄がはいっている種類もある。
 
 
 
次は、単一コンテナの組み合わせが大変有効な、
デッキ周りの植栽についてお話します。
 
 
お庭にウッドデッキを作り、その周囲にやはりデッキ材でフェンスを立てた時、今までお庭だった部分が少なくなるわけですから、どうしてもグリーンがほしくなります。
この時、デッキのフロア−部分にポットを置くと手狭になりがちなので、お薦めはハンギングです。単一の植物をたっぷりあしらったコンテナを、フェンス周りにあしらうだけで、統一感のあるグリーンが長い間楽しめます。
この場合も、1つひとつのコンテナに植える物にバリエーションを持たせず、あくまでも同じ種類の「アイビー」や「アスパラ」といったものだけをリピートして使うことがポイントです。
 
 
■テラス フェンスのハンギング例■

 
 
 単一の植物を入れたポットを
 上手に組み合わせた例を紹介します。
 
 
多肉植物を、まったく同じ白目のテラコッタに植えて、ウォールオーナメントにしたもの。統一感があり、寄せ植えとは違った印象を与える。
2個つながったテラコッタポットに、さまざまな植物を植えてバランスを楽しんでいる例。多肉植物やアリッサムなど、地植えでは考えられない組み合わせも、ポットに植えればバリエーションが広がる。
コンテナ植えでも、まるで庭に地植えしたのかと見違えるほどのボリュームでコーディネイトできる。
このように、ユニークで存在感のある形の葉ものを、大きめのポットに入れて組み合わせることも、コツの1つ。
>>ONE POINT!

 
最初の「グラス系植物の例」も、2つ目の「デッキ周りの植栽」についても、統一感を忘れずに組み合わせしましょう。植物をあれこれ吟味する楽しみよりも、全体がグリーン中心になっているかどうかを見ることが大切です。
 
たとえ小さくとも、ナチュラルな「庭」を感じられれば大成功といえるでしょう。
 


 
同じ植物でも、その成長過程では、葉が大きくなる時期や
冬越しをする時期などで、与える肥料の種類が違ってきます。
ここでは、肥料の基本的な種類とその適切な使い方
について、簡単に説明します。
 
 
植物にとって、主に必要な栄養分は窒素、リン酸、カリの3種。
窒素は葉肥え、
リンは実肥え、カリは根肥えです。

一般的に、発芽後はすぐに液肥を施す必要はないのですが、窒素には、葉を生き生きと大きくさせる力があります。ですから、成長の途中で葉が急速に大きく伸びる時期に与えます。時々、葉ばかりが大きくなり花が咲かなくなってしまった時は、この肥料のやり過ぎが考えられますので、過剰な施肥は控えます。
植物の実などを大きく実らせる作用があります。また花を美しく、数多く咲かせる作用もあります。
花が開花するころから満開の時期にかけて与えるとよいでしょう。
窒素が葉を強くする作用があるのに比べ、これは根のための肥料です。花がついていない状態でも、冬越しや夏の暑い時期を乗り切るために必要な栄養分。また、球根植物にも有効です。
 
以上が基本の栄養分です。
 
市販の肥料は、いろいろな栄養分を組み合わせて作られています。肥料のパッケージ、ラベルに書かれているそれぞれの含有量の分量を確認して、時期と植物の状態に合わせて適宜与えます。
花が盛りの時期には、つい肥料をやりすぎてしまいがちですが、却って植物自体を弱らせることにつながりますので、あくまでも適量を守ってください。
 
 
>>ONE POINT!

 
もう1つ。肥料は効きめの速さによっても分類できるので、ご参考までに。
まず、即効性を期待する場合は「液肥」を選びます。今の時期でしたら、サルビア、ヒャクニチソウに適量を与えると、冬までたくさんの花が咲き続けます。
次に、少しずつ土に解けてゆっくり利く緩効性のタイプ。「顆粒」「錠剤」が多く、土に混ぜて使います。
最後が遅効性の肥料です。これは土の上に置く「団子状」のものが多く、ゆっくりと微生物に分解されて、植物に効果的に効きます。
 


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