健康で快適、安心・安全に暮らす住まいのポイント
ここでは、次の4つの視点から、人生100年時代を健康で快適、安心・安全に暮らす住まいのポイントを考えていきます。
「健康に暮らす」ために
健康寿命も延びています
人間の寿命である「平均寿命」とは別に、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を「健康寿命」と呼びます。 2019年時点の健康寿命は、男性が72.68年、女性が75.38年となっており、平均寿命同様に、男女ともに延びています。健康寿命の延びは、2010年から2019年までの10年間で男性が2.26年、女性が1.76年となっており、同期間における平均寿命の延び(男性が1.86年、女性が1.15年)を上回っています。
→人生100年時代を身体にやさしく暮らしていくためのリフォームを行うことにより、負担や不満を感じにくい日常生活を長期にわたって送ることができると言えそうです。
■健康寿命と平均寿命の推移

老後の前にイマの健康が心配
高齢期に限らず、一定数の方は自身の身体に不調や不安を感じており、毎日の暮らしに何らかの影響を与えていることと思います。
○約3割の方が、病気やケガ等(腰痛・肩こりほか)の自覚症状があります。
○約4割の方が何らかの理由(高血圧ほか)で通院されています。
→イマから身体にやさしい住まいにリフォームすることにより、住まいにおける不安や負担が軽減され、長期にわたって健康な生活を送ることができると言えそうです。
暖かい住まいが健康の秘訣
近年の有識者による研究で、住まいの暖かさ・寒さがそこで暮らす方の健康に影響を与えていることが実証されつつあり、住まいの「温度のバリアフリー」が重要と言われています。
○寒すぎる家は危ない!
○温暖地ほど寒い住まいが多い!
○断熱改修を行うと血圧が有意に低下する!
○室温18℃以上の環境で生活すると健康改善効果が見られる!
→住まいの温度のバリアフリーを実現することにより、血圧変動の抑制や室内熱中症予防などを図ることが健康な生活につながると言えそうです。
住まいの暖かさ・寒さが健康に及ぼす影響等に関する調査研究が報告されています。

清潔な住まいがアレルギーや風邪予防に
ふだんの生活で手に付いたウイルスは、念入りな手洗いによりほぼ除去できます。
また、湿気とカビが健康に与える影響も指摘されています。
⚪︎ハンドソープでもみ洗いすることで手に付いたウイルスをほぼ除去できます。
⚪︎湿気とカビが喘息や呼吸困難等を悪化させることが関連づけられています。
→コロナ禍以降に高まった衛生的な住まいに対するニーズは、風邪やアレルギー予防につながると言えそうです。
■手洗いの時間・回数による効果

■湿気とカビによる健康影響

断熱性能の面でも住宅設備は進化し続けている
住まいの断熱性能に大きな影響を与えると言われている窓などの住宅設備は、20年前に比べて断熱性能が進化を続けています。
→断熱性能の高い最新の住宅設備に交換することで、健康的な生活を送れるようになると言えるでしょう。
「ラクしてムダなく暮らす」ために
年齢や性別に関係なく働き続けられる社会に
最近では、女性や高齢者の就業機会が増えており、人生100年時代では、年齢や性別に関係なく働き続けられる社会になると言えます。
→年齢や性別に関係なく働き続けるためには、家事をラクにしたり健康面に配慮したリフォームを行うことが重要と言えるでしょう。
■就業者数と就業率の推移

今と同じように働き続けるためには疲労や負担が少ない生活が不可欠
女性が今後働き続けるにあたって心配なことの全体の1位は「体力不足(53.4%)」、2位は「健康維持(49.0%)」となっています。これは、健康面への不安は年を重ねるごとに増していく傾向を示しています。
→年齢を重ねても働き続けるためには、疲労や負担が少ない生活を送ることができる環境づくりが重要と言えそうです。
■女性が今後働き続けるにあたって心配なこと〈複数回答〉

家事負担の軽減は、子育て世帯に限らず重要
家事の負担は、男女ともに面倒・負担と感じており、面倒や負担に感じる家事をパートナーにしてほしいと思っている割合が高くなっています。子育て世帯に限らず、家事負担を軽減することが家庭内不和を避けるためのポイントのひとつと言えそうです。
○約6割の方が、パートナーの家事に対する姿勢や対応に不満を抱いています。
○面倒や負担に感じる家事の第1位は、男性が「食器を洗う(29%)」、女性が「食事をつくる(51%)」となっています。
○パートナーにしてほしい家事は、男性の第1位が「食事をつくる(49%)」、女性の第1位が「風呂を掃除する(50%)」、第2位が「食器を洗う(47%)」となっています。
→育児や介護の有無に関わらず、家事にかける時間を減らすことが重要と言えます。
■パートナーの家事に対する姿勢や対応についての不満(N=各性別500)

■面倒・負担な家事、パートナーにしてほしい家事(N=各性別500)

安心・快適に暮らすためにも、住まいの安全が重要
意外と感じるかもしれませんが、住宅内で事故が発生する割合は道路や公園等の屋外よりも高くなっています。
○65歳未満の事故の約7割が住宅内で起こっています(65歳以上では約8割)。
→安心・快適に暮らし続けるためには、年齢を問わず、住宅内での事故を未然に防ぐために住まいの安全性を高めることが重要と言えます。
■事故の発生場所

悠々自適な暮らしを安心して送るためにはお金も必要
仕事に翻弄されてきた若い頃に比べて余裕が生まれてきたかもと感じる今、人生100年時代を見据えて、悠々自適な暮らしを満喫したいと思う方も多いと思います。一方で、老後の資金とあり方が問われており、高齢になっても働き続けなければいけないと不安に思っている方も多いことと思います。
→生活にかかるコストを少しでも軽減するため、家計にやさしい住まいにリフォームを行うことも選択肢のひとつになるでしょう。
■老後の不安要素と老後への備え

20年前の住宅に比べて住宅設備は進化し続けている
暮らし方に対するニーズの変化や技術開発の進展等により、新築した頃の住宅設備に比べて、近年の住宅設備は進化を続け、使いやすく進化しています。
→省エネ・断熱といった温熱環境の向上、バリアフリー化や自動化など、最新の住宅設備に交換することで、節水や節電など家計負担の軽減につながります。
■年間消費電力量の比較

■電気代の目安

「安心して暮らす」ために
近所の人とのつきあいが希薄に
近所の人と親しくつきあっている方は総じて約3割にとどまっています。
性別でみると、男性よりも女性のほうが近所の人と親しくつきあっている割合が高く、単身世帯で近所づきあいが希薄になっている傾向かあるようです。
→近所づきあいが希薄になっている傾向にあり、単身世帯でその傾向は顕著になっていることから、地域で安心して暮らし続けるために、ご近所の方々と交流するための趣味のスペース等をリフォームで生み出すことも検討するとよいでしょう。
■近所の人とのつきあいの程度

離れて暮らす親の介護、ご自身の子どもからのサポートなども心配
50〜60代は、離れて暮らす親の介護が家庭内で話題になったり、ご自身の老後に子どもたちがサポートしてくれるのだろうかという不安が大きくなる年代だと思います。
○約9割の子どもが離れて暮らす親を不安に感じている(転倒などのケガや認知機能の低下等)。
→介護が必要になったときに備えるとの観点から、日頃から離れて暮らす家族との関係を保てたり、介護を受けやすい住宅へのリフォームを行うことも重要でしょう。
安否確認や防犯対応の設備が進化し続けている
Wi-fiの普及やIoT等の技術開発の進展等により、近年の安否確認や防犯対応に関する設備は進化を続けています。
→家族の安否確認や防犯対策として最新の住宅設備に交換することで、住まいや家族の安全の確保につながります。
■浴槽暖房等の遠隔操作、見守りアプリの例

家族とのつながり・見守りでお互い無理なく支え合える環境が有効
核家族が家族形態の基本となった現代では、離れて暮らす家族や社会との関係が希薄化したと言われています。また、高齢者の中でも、加齢に伴って社会参加活動を行っていない方が増えている実態があります。離れて暮らす家族との関係を良好に保ち続けたり、社会との関係を築いていくためには、発達した通信・コミュニケーション手段の有効活用のほか、外出機会や人を家に呼んで交流するなどの機会を増やすことが有効と言われています。
→高齢期を見据えると、家族や社会とのつながりを保てるような住まいにリフォームを行うことが安心に住まうことにつながると言えます。
■高齢者の社会参加活動の実態

「安全に住み続けられる家で暮らす」ために
住み慣れた家で今後も住み続けたい
「できれば住み替えたい」と考えている世帯は、ここ20年間、約2割にとどまっており、一定数の方が住み慣れた家で今後も住み続けたいと考えていることがわかります。
→現在暮らしている住まいで暮らし続けたい方にとって、安心・安全な住まいにリフォームすることが大切と言えます。
■今後の住み替え意向

適切なリフォームによる性能維持・向上が進んでいない
断熱や省エネといった温熱環境の向上、バリアフリー化が進んでいない住宅がまだまだ多くあります。
○65歳以上の方が暮らす住宅は段差のない住宅である割合が低く、手すりがあったり、段差のない住宅の割合が、持家全体よりも低くなっています。
○すべての住宅のうち、現行の省エネ基準(2025年義務化基準)を満たす住宅は約1割にとどまっています。
→安全に住み続けられる住まいにするためには、バリアフリー化や断熱化を目的としてリフォームを行うことが有効と言えます。
■住宅のバリアフリー化、断熱化の状況

「住まいの防犯対策」が空き巣や強盗から命と財産を守る
建物に侵入する際、「5分以内」に侵入することができなければ、約7割の侵入者は侵入をあきらめると言われています。
抵抗時間が5分間以上であることを確認されたものなどが「防犯性能の高い建物部品(CP部品)」として認定され、「防犯性能の高い建物部品目録」に公表されています。
→リフォームを行う際に、防犯性能の高い建物部品(CP部品)等を採用することで、空き巣や強盗から住まいと家族を守る防犯性の高い住まいにすることができます。
■防犯性能の高い建物部品(CP部品)

20年前の住宅に比べて住宅設備は進化し続けている
暮らし方に対するニーズの高まりにあわせて、Wi-fiの普及やIoT等の技術開発の進展等により、近年の住宅設備は進化を続けています。
→最新の住宅設備に交換することで、暮らし方が変化し、より安全で快適な暮らしの実現につながります。
■IoTを活用した防犯性の向上につながる住宅部品の例

(パナソニックホームズ(株))
不安・不満・負担改善リフォームが将来も住み続けられる家に
リフォームをしたきっかけとして、暖かい住宅にしたい、老朽化したり傷んだところを直したい、新築並みの性能・機能をもつ住宅にしたいといったものが多くなっています。 現在の生活の不安・不満・負担を軽減させるリフォームを行うことにより、「住みやすさ、住みごこち」「台所/風呂(広さ、設備等)」「断熱性・気密性」について約9割の方が満足しています。
→住み慣れた家や地域で生活したいと考えたときの負担・不満・不安をリフォームで軽減することで、将来にわたって、人生100年時代をより有意義に生きることができるようになるかもしれません。
住み慣れた家で暮らし続けるための不安・不満・負担改善リフォームの例
健康への不安や、日常生活の負担・不満、家族の心配を軽減したい。
→リフォームで不安・不満・負担を改善したら…
バリアフリーな住まいになり、将来も含め安心安全な住まいになりました

健康への不安や日常生活の不満、家族への心配を改善するリフォームは将来に備えたバリアフリーになり、住み慣れた家で暮らす事を応援します。