実証実験結果の詳細

あたたかリフォームでリビング等、日中の大半を過ごす居室の暖かさ
を向上させると、 血圧に良い影響を及ぼすことが実証されました。

実証実験の結果、リビングを暖かく適温に保てば、
血圧が低下することがわかりました。

あたたかリフォームを行った後は、リフォーム前に比べて血圧が低下することが分かりました。血圧の変動は様々な原因で起こりますが、この調査結果は、52人、最大で48回分の血圧測定を平均したものであり、あたたかリフォームによる効果を示すと考えられます。 血圧の維持管理は、厚生労働省が進めている「健康日本21」において最重要指標に指定されているように、健康維持に大きな影響を及ぼします。

あたたかリフォーム工事前後の血圧<協力者(高齢者)52名の平均値>
~24時間連続血圧測定結果(全日)より~

※健康長寿住宅エビデンス取得委員会作成

<コラム> どうして24時間連続で血圧を測るの?

例えば「白衣高血圧」ということばを知っていますか?普段は正常なのに病院でドクターの前に行くと、緊張して血圧が上がってしまうという方がいます。また、家庭で血圧を測ったことがある方も多いと思いますが、毎回、測るごとに血圧の値が違っていると思います。このように血圧は秒単位で変わっていますのでたまたま1回測ったものを調べても変化はわかりにくいものです。そこで血圧を24時間、30分ごとに計ると多くの(最大で48回)血圧計測ができるので、実際の生活パターンに近い状態で詳しく血圧を把握することができます。なお、この方法は日本高血圧学会が血圧評価の標準的方法として推奨しています。


【参考】温熱環境の改善幅が大きい群のあったかリフォーム工事前後の血圧
<協力者(高齢者)16名の平均値>
~24時間連続血圧測定結果(全日)より~

※健康長寿住宅エビデンス取得委員会作成

1日5回、4週間にわたる血圧計測により、
1年後は血圧変動がやわらぎ安定することがわかりました。

実証実験では24時間連続血圧測定のほか、協力者(高齢者)にご家庭で1日5回、(起床後、毎食後、就寝前)4週間にわたって血圧測定を行なっていただきました。その結果、あたたかリフォームを行った後はリフォーム前に比べて血圧の変動がやわらぎ、安定することがわかりました。 血圧の上下変動が大きくなることは心・脳血管疾患の重大なリスクです。また、加齢に伴って、高齢者では最高血圧(収縮期血圧)が上昇していきますが、上昇後の急激な血圧低下もさまざまなアクシデント(転倒など)やヒートショックなどによる健康被害の原因となります。

実証実験で使用した家庭用血圧計

※健康長寿住宅エビデンス取得委員会作成

※グラフは血圧の変動係数という指標で血圧のばらつきを示します。
血圧の上下変動が激しいほど大きな値になります。
※変動係数は標準偏差÷平均値で算出します

あたたかリフォームによって、起床後の激しい血圧上昇が
抑えられていたことがわかりました。

一般的に血圧は、夜間の睡眠時には日中よりも10~20%程度低くなり、そして朝目覚めて活動を開始すると上昇に転ずるという生活リズムがあります。
近年の研究で、夜間の睡眠中の血圧は正常であるけれども、起床後に急激に血圧上昇する人は、心血管疾患の危険性が高いことがわかってきました。

※健康長寿住宅エビデンス取得委員会作成

今回実施したあたたかリフォーム前と後の起床後の血圧上昇を比較する調査では、あたたかリフォーム後、もともと起床後の血圧上昇が強くみられる人の血圧上昇が抑えられていたという結果が出ています。

断熱リフォーム前後の起床後血圧上昇(協力者(高齢者)52人の平均値)

※健康長寿住宅エビデンス取得委員会作成


監修:医療法人社団 充会 上川病院 院長、元東京都健康長寿医療センター研究所 副所長  高橋龍太郎先生