住宅の防犯〜安心・安全のために〜
基礎知識
住宅の防犯対策を考えるとき、共同住宅を選ぶときこれだけは知っておきたい!「防犯に配慮した住まい」の姿 TOPへ戻る
防犯の観点からどんな住まいを選べばいいの?
1.「防犯に配慮した住まい」の基本|2.「防犯に配慮した共同住宅」の選び方|3.「防犯に配慮した戸建住宅」の姿

「防犯に配慮した共同住宅」の選び方

共用部分


周囲からの見通しがよいこと


共用出入口、管理人室、エレベーターホール、共用廊下、共用階段、自転車置場・オートバイ置場、駐車場などが、周囲からの見通しがよいこと。


通路、児童遊園、広場、緑地の柵や樹木などが、周辺の景観に配慮しつつ、周囲からの死角の原因になっていないこと。


見通せる構造のドアであること


共用出入口、共用階段、駐車場などのドアやシャッターなどが、内と外から相互に見通せる構造であること。


ドアの桟などの間から手を入れて簡単に開錠できない構造であること。


照明設備の照度が適切であること


共用玄関、共用メールコーナー、1階のエレベーターホール、エレベーターで、10m先の人の顔、行動が明確に識別でき、誰であるか明確にわかる程度の照明であること。
(床面でおおむね50ルクス以上の平均水平面照度を確保していることになります)


共用廊下・共用階段、共用玄関以外の共用出入口、1階以外のエレベーターホールで、10m先の人の顔、行動が識別でき、誰であるかわかる程度の照明であること。
(床面でおおむね20ルクス以上の平均水平面照度を確保していることになります)


自転車置場・オートバイ置場、駐車場、通路、児童遊園、広場・緑地などで、4m先の人の挙動、姿勢などが識別できる程度の照明であること。
(床面でおおむね3ルクス以上の平均水平面照度を確保していることになります)



照度に関する防犯上の留意事項
場 所 区 分 ルクス
●共用玄関(内側)
●共用メールコーナー
●エレベーターホール(共用玄関の存する階)
●エレベーターのかご内
「人の顔、行動が明確に識別できる程度以上の照度」
10m先の人の顔、行動が明確に識別でき、誰であるか明確にわかる程度以上の照度
50以上
●共用玄関(外側)
●共用玄関意外の挙用出入口
●エレベーターホール(共用玄関の存する以外の階)
●共用廊下・共用階段
「人の顔、行動を識別できる程度以上の照度」
10m先の人の顔、行動が識別でき、誰であるかわかる程度以上の照度
20以上
●自転車置場・オートバイ置場
●駐車場
●道路(道路に準ずるものを除く)
●自動遊園、広場又は緑地等
「人の行動を視認できる程度以上の照度」
4m先の人の挙動、姿勢等が識別できる程度以上の照度
3以上
出典:「共同住宅の防犯設計ガイドブック」平成13年7月
企画・編集/一般財団法人ベターリビング・(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター
発行/創樹社


防犯カメラが設置されていること


密室空間となるエレベーターのかご内をはじめ、見通しの悪い共用出入口、共用メールコーナー、エレベーターホール、屋内の共用階段、自転車置場・オートバイ置場、駐車場などには、死角を補う有効な位置に防犯カメラが設置されていることが望ましい。
   


オートロックシステムなどが導入されていること


共用玄関にはオートロックシステムが導入されており、それ以外の共用出入口に自動施錠機能付きのドアが設置されるなど、居住者以外の侵入を抑制する区域を明確にしてあることが望ましい。


オートロックシステムは、システムにより居住者の出入りと合わせて侵入できるものもあるなど、防犯効果の限界はあるものの、夜間などの侵入の抑制には一定の効果があるとされています。


専用部分・開口部〜ドア〜


ピッキングや破壊行為に強い錠であること


ピッキングや破壊が困難な構造の錠前がドアに設置されていること。


ピッキングに強いシリンダーとして、(財)全国防犯協会連合会が認定した「CP-C錠」 や一般財団法人ベターリビングが、CP-C錠などを組み込んだ錠前を優良住宅部品(BL部品)として認定したものがあります。


シリンダー形式には、「ディンプルシリンダー」「マグネチックシリンダー」「ロータリーディスクシリンダー」「ピンシリンダー」(ただし、カギに刻みが少ないタイプはピッキングに弱い)などがあります。


「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」に基づき、錠の防犯性能の表示が義務付けられることになりました。


BL部品については、一般財団法人ベターリビング情報サービス部にお問合せ下さい。


補助錠やガードプレートが設置されていること


主錠のほかに補助錠を取り付け、「ワンドア・ツーロック」にしてあることが望ましい。
(侵入盗は、侵入に5分以上かかると約7割があきらめることから、できるだけ侵入に対し時間がかかる対策をとることが重要です)


ドアのすき間からデッドボルト(かんぬき)が見えない構造であること。


郵便受け対策がされ、テレビドアホン、防犯センサーが付いていること


ドアに郵便受けが付いている場合、取り付けが強固で、手を差し込んで開錠できないように内蓋が設置されていること。


テレビモニター付きドアホン、防犯センサーなどが設置されていることも有効。


専用部分・開口部〜窓〜


窓用防犯金具


バルコニーに面した窓には、ロック機構付きクレセントが設置されているか、または上かまちや下かまちに、補助錠(サブロック)が設置されていること。


錠付きクレセントに補助錠を併設するとさらに有効。


破壊に強い合わせガラス


1階・2階や最上階の住宅のバルコニーに面した窓に、2枚の板ガラスの間に樹脂製の膜を挟み込んだ破壊に強い合わせガラスが採用されていることが望ましい。その場合、避難経路や消防隊の非常用進入口の確保に配慮されていること。

2枚の板ガラスに、柔軟で強靭な中間膜を挟み、加熱、圧着したガラスで、強い衝撃を受けて破損しても、破片の飛散が防止されます。
各種ガラスと機能

単 板
ガラス
強 化
ガラス
板ガラス+
フィルム
合わせ
ガラス
防 犯 ×
人体衝突 ×
地 震 ×
爆 風 ×
初期コスト
耐久性 ×
機能ガラス普及推進協議会資料より


雨戸・シャッター


サッシ一体型など破壊や取り外しが困難な雨戸・シャッターが採用されていることが望ましい。


面格子


共用廊下に面した窓などに、破壊や取り外しが困難な面格子が設置されていることが望ましい。サッシ一体型が最適。

サッシ一体型は、接合箇所が多く部材が丈夫なので破壊されにくい。


防犯センサー


センサーライトやマグネットスイッチなどが必要に応じて設置されていることが望ましい。

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